皆さんは、気の合う仲間や恋人、家族と旅行に行こうとしたら何で調べて旅行先を選びますか?
多くの人が宿やホテルを選ぶ予約サイトや
今だとSNSのハッシュタグから探す人も多いかも?
当時、幹事を行っていた私に対して初参加した友人S君が同じ質問をしてくれたことを今でも鮮明に覚えています。
「ねぇ●●くん、今回の旅行先は何で選んだの?」
『具体的な場所は言えないけど、今回は趣向を変えて心霊サイトで見つけたよ』
「はっ?」
旅行当日、集まった友人たちへ一言
『はい、それじゃー今から皆さんにはアイマスクしてもらいます。大丈夫です、ミステリーツアーに参加したつもりで楽しんでいきましょう』
「はっ?(全員)」
参加しているメンバーは全員同じ中学校メンバーで卒業後、別々の高校や大学に進学したものの、中学校時代のメンバーが濃すぎたのか、定期的に遊んでは馬鹿騒ぎを繰り返していました。
そんなある日、クレイジーボーイ「Y君」の迷言
「旅の恥はかき捨て、って事は旅先なら裸でいても問題ないんじゃね?」
当時から脱ぎ癖があった彼の言葉は、
大人になった今でもまだ分かりかねますが
そんな一言から毎年旅行に行くことになりました。
途中のサービスエリアで行われたトイレ休憩の際、アイマスク姿の大学生が手をひかれながらトイレの中に吸い込まれていく光景に、旅行中のシニアの方々が驚きながら写真を撮っていたことはアイマスクをしていなかった私しか知らない良い思い出です。
出発から2時間30分が経過、車が停止。
今回の旅行に参加したメンバーも今までの人生において
これほど長い時間アイマスクしていた経験はなかったと思います。
『はい、それでは目的地に到着しました。それでは皆さんアイマスクを外してください』
「はっ!?(全員)」
『はい、皆さん。早く準備しないと夜になったら外に出れなくなりますよ?』
念の為ですが、これは中学生時代に共に青春を過ごした友人同士が旅行に訪れた思い出を綴ったブログです。
決して、罪人たちを強制収容所等に移送した際のエピソードではありません。
「ちょ、ちょっと待って!ここが今日の宿泊先?」
「嘘でしょ!この先に千と千尋の神隠しに出てくるような旅館とかあるんでしょ?」
「っていうか、ここ何処??」
スタスタと今日の宿泊先を探しながら先を歩く私はまるで何かに憑依されたような様子で一言
『ここは廃棄された村、大平宿だよ』(注:正確には住民が誰もいなくなって久しい廃村です)
参加メンバーからめっちゃ石を投げられました。
到着直後は、本気でキレているメンバーもいましたが、実際に家屋に到着して中に入ると結構キレイなんです。
とりあえず、到着直後に皆で清掃から始めていくうちに徐々にリラックスしていき、次第に冗談を言い合うような雰囲気になりました
(石を投げたヤツ、本気で謝れと思いましたが)。
家屋の中には囲炉裏もあり、火をおこしながら鍋を作ったり、目の前に川があるのでそこでスイカを冷やしたり出来ます。
本当に夜になると、外灯もないため、ライトがないと外を出歩くことが出来ないくらい真っ暗ですが、星空の美しさは今も忘れません。
確かにこのサイトを見つけたのは、旅行サイトではありませんでしたが、自然と融合した最高のロケーションで、当時の参加したメンバーも今でも酒の席で昔話をしているともう一度、大平宿に行きたいと全員が言っています。日本中に良い宿やホテルはたくさんあります。そして、私たちは日頃から利便性の高い生活に慣れすぎています。だからこそ、逆に多少の不便を感じながらテレビもWi-Fiもない環境に身を置く贅沢もあるのではないでしょうか?
※追伸 2日目は、普通の宿に宿泊しましたがまるで『旅館の女将が選ぶ厳選宿』に泊まっているんじゃないかと思うくらい、参加メンバーは喜んでいました(笑)